ZMP(ゼロモーメントポイント)(しゃちょ〜)

前回の「静歩行と動歩行」の話を議論する際に、よくZMPという言葉を引き合いに出して説明する場合があります。その時によく書かれているZMPの軌跡として下図の右のような絵が出ていますが、実はコレ、大ウソです。
ZMPというのは、ゴスワミさんによってCOP(Center Of Pressure:圧力中心)と同じだということが証明されました。圧力中心ということは、支持多角形から外れるということは物理的にあり得ない訳で、片足支持期(片足で立っている瞬間)に足裏からZMPが出ることはありません。「もう倒れそう!」という時は、支持多角形の辺上にZMPが来ているという状況です。こうなると、ほぼ力をかけて姿勢を戻そうというのは無理です。ZMPは支持多角形の中央付近にいるかどうかが制御しやすい指標になります。
足裏にかかる圧力の中心が、足裏にないということは、要はブッ飛んでる(宙に浮いている、既にコケてる)時になるので、その時点で破綻してます。
なので、静歩行でも動歩行でも下図の左の絵になるわけですね。