真空成型(しゃちょ〜)

最近のロボットは、外装が付いていないものが少ないです。昔(10年ぐらい前)は、研究室の中だけでロボットが動いていたので、外装のような運動性能の本質にはかかわらない部分は、全て排除されていました。私がPINOをやり始める1998年頃から、徐々に外装を持ったロボット達がテレビや誌面を飾るようになってきて、だんだん外装(デザイン)の重要性が認められるようになって来ました。
とはいえ、実際に歩かせるにあたって、外装の重量はバカになりません。PINOの時は頭の外装が重く、頭を取った状態ではサクサク歩くのに、頭を取り付けると歩かなくなる。という悲しい状況になりました。
プロジェクトリーダの北野さんに「頭、重いんで、取っ払っちゃって良いですか?」って聞いたら「ダメ」と即答された記憶があります。
PINOの外装は光造形で作りましたが、1[g]でも軽くしたいということで、足のような簡単な形状は自分達で真空成型で作りました。「ももぞう」という掃除機の先っちょに取り付けるピンク色の装置で、1mm厚のプラ板(ABS板も可)を、コンロの上でトロ〜ンとなるまで熱し(割とテクが必要でした)、すかさず型の上に乗せると、バキュームの力で型通りの形状になります。失敗するとシワが残ったり、穴が開いたりします。