橋梁、トンネル、石油化学プラント向け点検ロボット開発

この度、社会インフラやプラントの構造物の老朽化が注目されてきているなか、従来では点検が困難であった箇所において、その健全性を点検するためのロボットを3機種開発しました。

Rope Stroller ワイヤ吊り下げ型目視点検ロボット
高速道路などの橋梁において、鈑桁と呼ばれる橋梁の床版下面や水切り部といったコンクリート面を接近目視できるロボットです。
橋梁の径間にワイヤを架設し、その上をロボットが移動します。
ロボットには、高精細なデジタル一眼カメラ、6軸姿勢センサ、ジンバル機構を搭載し、風の影響でワイヤが揺動しても、常に床版に正対できるよう姿勢制御を行うことができます。
本ロボットにより、従来、オーバーフェンス車を利用したり遠望目視で対応せざるえなかった場所の全面観察が可能となります。

ZigZagII トンネル高所狭隘部目視点検
橋梁やトンネルの高所を点検する際、高所作業車の使用や足場架設の必要があった箇所において、地上から直接点検できるロボットです。
ZigZagIIは、最大12mまで垂直伸延することができるアームと、全方向に移動できる台車を組合わせ、床版裏面や、トンネル壁面を連続的に全面点検することができます。

SpinBot プラント防爆エリア内非磁性体タンク配管点検ロボット
防爆仕様が要求される石油化学プラントの精製エリアにおいて、稼働中の塔槽や熱交換器の点検ができる防爆型ロボットです。
このような構造物は、非磁性体金属で作られているため、マグネット吸着することができません。また、周辺の配管等の設備の影響で、ロボット自体を大きくすることができません。
そこでロボットを、駆動モジュール、センサ搭載モジュール、ベルト締結モジュールといった分散型とし、ベルトを用いてタンクや配管に巻きつけます。
センサモジュールには、超音波探傷装置、超音波板厚計などのセンサや、ピーニング装置などを搭載可能です。

今後、これらのロボットを橋梁、トンネル、プラントの点検業務に活用していきます。
なお、本成果は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、「平成24年イノベーション実用化ベンチャー支援事業」の助成金により開発しました。

これらのロボットは、下記展示会にて展示・デモを行う予定です。
●ものづくりNext↑メンテナンス・テクノショー2013
2013年10月30日〜11月1日 (イクシスリサーチブース内にて)[東京ビックサイト]
●2013国際ロボット展
2013年11月6日〜11月9日 (イクシスリサーチブース、NEDOブース内にて)[東京ビックサイト]

※掲載されております画像は、すべて、設備オーナー様より公開のご了解を頂いております。