ナビロボ(しゃちょ〜)

昨日、パイオニア(株)との共同開発による新しいナビゲーションロボットの発表を行いました。2008年に富士通(株)からライセンスを受けて開発したナビロボから、数歩進んで、今回は、カーナビ本体から経路案内情報を取得し、適宜、モーションメディアな「指差し」で運転支援を行います。
モーションメディアは、我々の色々な研究で、単独で存在するというよりも、他のメディア(音声、画像、映像等)と融合する方が圧倒的に価値が上昇することが分かっているので、あくまでカーナビの持つ「音声」「画像」の情報への付加的位置づけとして「動き」を盛り込んであります。
従来より各所にて研究開発されている(いわゆる)ナビゲーションロボットは、単独で存在できるように、自身に高度なコンピュータや、GPSセンサ、CCDカメラ等を搭載して運転支援していますが、これだと、数百万円の自動車に、数十万円のカーナビを取り付け、さらに数万〜数十万円のロボットを搭載しなくてはならず、価値に対するコストが大きすぎるという問題がありました。
我々が取った手法は、カーナビの不足情報を補間する「指差し」の価値が最大でも1万円と見積り、価値とコストが見合うアウトプットを意識して仕様検討を行ったため、ロボット本体には、マイコン1個とモータ2個(あとはLED数個)しか搭載せず、必要な経路案内情報は全てカーナビから取得するという手法です。その結果、5000円以下の販売価格になりそうなモノとすることができました。カーナビの一般的な周辺機器も1万円前後とのことなので、丁度良い値段帯です。
この手のモノを、ソッチ系の方々に見せると「そんなのオモチャだ」と言われる場合が多いのですが、私としては、オモチャだろうが何だろうが、市場に受け入れられるモノが求められているので、どっちでも良いと思ってます。
ちなみに、この商品は既に福祉系への適用を視野に入れていて、道交法が改訂され、より運転の機会が増えた聴覚障害者が、カーナビ+ナビロボで、より安全運転できることを期待しています。福祉機器というのは、特定の障害者専用の機器とすると、間違いなく失敗するといわれていますが、これは共用品(健常者+障害者の両方利用可能)なので、期待が持てる(リハビリテーションセンター談)そうです。だからといって成功するとは限りませんが。
2006年の研究開始から4年が経ち、ノロノロと進めていますが、あとは商品化を残すのみとなりました(これが一番ハードル高いですけどね)。