MOT(しゃちょ〜)

ようやく年度末の納品ラッシュが過ぎ去り、静かな日々へと変わりつつあります。毎度、年度末はドタバタ。
そんな中、昨日、川崎市慶應義塾大学の共催セミナー「可視光通信を用いた先端技術とその応用」(春山教授)を聞きに行きました。可視光通信は、PLC通信と同じく、既存設備の拡張で実現可能というメリットがありますが、どちらも、無線LANや携帯電話といった競合がいる通信手段なので、その利便性や優位性が示されなければ広まりません。
お話を聞いていると、可視光通信の特殊性(LEDの点滅で信号を送信する)から、”可視”に関しては優位性がありそうですが、その応用先(可視だから実現できる通信)が良く分かりません。コンソーシアムを組んでIEEEの規格化(IEEE802.15)が進んでいるようで、なんとなくサービスロボットと似た現状のようです。
「とりあえず規格化して、用途はその後考える。」
「とりあえず現状で行けるだけ最高水準のものを開発する」
非常におもしろそうな技術なのですが、あと一歩、何かが必要な気がします。
我々エンジニアは、現場を見ると直ぐにアイディアが浮かびますが、そのアイディアは「やって良いアイディア(ものづくり)なのか?」を考える必要があります。ただ作ってもしょうがない。
逆に「(技術的に)出来るから、やった」というのは、むしろ逆効果なことがあります。一昔前のサービスロボットに多くあった、「ロボットに明日の天気を聞いて、インターネットの情報を引っ張ってきて返事をする。」というコンテンツは、確かにインターネットにつながったPCがロボット内部に搭載されているので出来てしまいますが、それをやったら、PCや携帯電話との差異が見えにくくなり、結果的に、(見ている人に)ロボットの可能性を下げてしまいます。いまどき、携帯電話もPCも1円(条件付ですが)で買える時代ですし。

2010年3月8日には、「モノづくり交流会」が川崎市産業振興財団で開催され、私も、チョコッと喋ります。お時間があります方は、激論を交わしましょう。
福祉ロボットも同様に、「思いついたら直ぐに作る」というのは失敗の典型例のようです(リハビリセンターの方からの助言)。