BMI(Brain Machine Interface)(しゃちょ〜)

本日、16:00頃から、日本医科大学武蔵小杉病院にて、川崎市ライフサイエンスマッチング事業成果報告会が開催されます。といっても、こんな台風の中なので、どれぐらいの人が集まるのか・・・。内容は、先日開発した「装着型電気刺激装置」です。
この手の機器は、薬事法を通せるかどうかが大きなポイントとなります。これぐらいの機器だとクラス2になるので、簡単ではありません。ちなみに分類は、一般医療機器(クラス1)、管理医療機器(クラス2)、高度管理医療機器(クラス3、4)の3つがあります。
そんなので悩んでいたら、なんと、大学時代の研究室(それも同じ研究班)の1つ下の後輩が、その後お医者さんになって、現在は大学病院から厚生労働省の薬事担当に出向しているではないですか。
この前、一緒に飲んで話をしていると、なぜ日本では医療機器の認証が取りにくいかという話で、例えば薬は薬学部という専門の学部があり研究されているが、医療機器を専門に研究している機関(学部)が無く、認証する側も機器の性能や安全性を評価できない(よく分からない)からだとのことです。
確かに、日本には医療機器学部のようなものはありません。私が所属していた早稲田大学理工学部機械工学科の梅津研究室は、人工心臓の評価をしたりと、それに近い研究室でしたが。
今後、医療機器を専門に扱う機関ができれば、これらの認証も今よりはスムーズになるのでは、とのことでした。
最近、医工連携が流行で、特にBMI(Brain Machine Interface)が盛んに研究されています。要は、頭で考えるだけでロボットが動くというやつです。
手法は大きく2つあり、脳ミソに直接電極を貼って電気信号を取得する方法と、例えば腕の神経に針を刺して筋電を取得する方法があります。
前者は、開頭(頭を切り開くこと)をするので大掛かりな手術が必要ですが、何と言っても、脳ミソには痛覚が無いので痛くありません。ただ倫理的に健常者で実験することは認められていません。
後者は、単に針を刺すだけなので簡単ですが、神経に突き刺すので痛いです。おまけに感染症になる確率も高いです。
前者は脳ミソからの随意刺激(「動け」という電気信号)が取得できるので、その後の信号解析が楽ですが、電極をたくさん刺さないと解像度が低いです。つまり、おおざっぱな運動指令しか出せない。
後者は、脳ミソからの随意刺激と、反射刺激の両方が取得されてしまい、反射信号を分離しないといけないので、その後の信号解析が大変です。
現在、どちらがトレンドになるかまだ決まっていないそうです。私も大学時代に生体信号を計測して処理するのを研究テーマにしていて、生体信号を扱う難しさは嫌というほど身にしみているのですが、何か凄いブレークスルーが無い限り前者(脳ミソ)でのBMIでないと成功しない気がしています。
反射信号も一緒に取得して解析というのは、BMIの観点からも気持ち悪いです。本来であれば、接続されたロボットから取得されるセンサの信号を反射信号として扱うべきだと思いますし(個人的感想ですが)。