安全って?(しゃちょ〜)

最近、ロボット業界では「安全」というキーワードが盛んに言われている。愛知万博の時に、自立移動ロボットに対して、安全対策をすることが義務付けられたのを契機に、人と接する可能性の高いサービスロボットを実現する上で「安全」対策は今や、必然になりつつある。
ただ、最近テレビをにぎわせているパロマの給湯器や、松下電器のストーブ、家庭用ペーパーシュレッダーでの死亡事故や怪我で、メーカーが常に責任を問われている。我々もロボットメーカーである以上、何をどうすれば「安全」で、どこまでやれば「責任」の線引きが引けるのだろう?
もちろん「製造者責任」という言葉がある以上、作った側が、その商品に責任を負うのは当然だが、全ての責任をメーカーが取らされるのでは、怖くて何も作れなくなってしまう。
色々と調べたり、話を聞いていると、PL表記をすることが、まずは第一歩である。確かに、家電製品などの取扱説明書には、ひたすら「警告」「注意」「危険」などの表示で禁止事項が列挙されている。しかし、上記の3件の事故は、どれもPL表記がなされた上での責任論である。ということはPL表記だけでは不十分であることも分かる。
さらに調べると、そもそも危険(リスク)は、確率論であって、危険かどうかを評価するのは非常に難しい。それよりも、確定要素である「危険源」を特定し、それに付随する危険を推定し、評価し、回避策を検討する。という流れで考えるらしい。で、「残留リスク」をPL表記するらしい。
ただ、その残留リスクも、低コストで解決できるのであれば、どんなにPL表記をしても駄目。結局の所、設計段階で、危険源を特定し回避策を講じたうえで、これ以上は無理。といえるだけの対策をする必要があるようです。
地震で被害を受けた柏崎の原発も、仮に今の技術では簡単に回避できるリスクでも「設計当時にこれだけリスクアセスメントをしましたよ。」と言えるだけの資料さえ出せば、こんなに叩かれなかったようですし。