減速機(しゃちょ〜)

ロボットの駆動源として最もポピュラーなのがモータです。先のブログにもありましたが、最近は空気圧アクチュエータなども盛んに研究され始めてきておりますが。しかしモータは電圧をかけるとブンブン回って、とてもそれだけでは足を前後に動かすような細かい制御は出来ません。その為に、途中に減速機を取り付けることになります。例えば100:1の減速機を構成すれば理論上は回転数は1/100になり、出力トルクは100倍になります。
しかし、ギヤ(平歯車)は1段組むと効率が約90%になります。なので出力トルクは理論値の約90%。2段組めば、90%x90%=81%になります。ということでなるべく段数を減らした減速機にするのが望ましいのですが、上の場合、モータ側に例えば歯数10枚のギヤを付けると、従軸側は1000枚の歯数のギヤを付けることになります。ということは、モータ側のギヤ直径がφ10mmなら、従軸側はφ1000mm(=φ1m)となって、とてもロボットには組み込めません。結果として、10:1のギヤを2段に組んで100:1にするような感じになります。このようにしてギヤを組んだものを減速機といいます。ラジコンサーボには4枚のギヤが入っているので4段の減速機ということになりますね。
しかし、場合によっては、入力軸(モータ側)と出力軸を同軸上に揃えたいという要望もあります。平歯車で実現することも出来ますが、変わった仕組みの減速機として遊星ギヤというのがあります。中央の太陽ギヤ、外周のアウターギヤ、そしてその中間に浮いているのが遊星ギヤです。ちょっと見ただけではどのような仕組みで回転しているのかイメージつきにくいですが、大体1段で4:1か5:1ぐらいの減速比になります。そして入力軸と出力軸が同軸になります。なので、これを2段、3段と組むと4:1の場合、16:1、64:1、128:1・・・といった感じで減速機を構成できます。非常に便利なのですが、残念なのが、遊星ギヤの場合、効率が約80%と、平歯車よりも約10%も低い。なので、平歯車で構築するか遊星ギヤで構築するかは、設計者次第といったところでしょうか。
他にも、ハーモニックギヤという、ふにゃふにゃした扁平ギヤを使った減速機もあります。