狭隘部検査(しゃちょ〜)

メンテナンスロボットが求められるところは、我々の手が届くような場所ではないところです。手が届くのであれば自分でやればいい。
毎度、現場を訪れると「なんで設計時に作業員が入れるスペースを確保しなかったの?」と思えるような、微妙なスペースしか空いていない箇所があります。そういった場所に限って、検査の必要が出てきます。(ToT)
ということで、まずは1次検査をするために、ロボットにカメラを搭載して投入です。
(設備オーナー様には開示の許可を頂いています)

ここは長大橋(=デッカくて、なが〜い橋)のフィンガージョイントという箇所です。電車の線路と同様、こういったスチールでできた橋は、夏と冬、昼と夜で鉄が伸び縮みします。それを吸収するために、櫛状のフィンガーが両側から出ていて、その重なり合い具合で、この伸縮を吸収します。コレ↓

当然、路面も兼ねているので、この上を自動車やトレーラーが頻繁に走ります。その結果、繰り返し荷重がかかり亀裂発生の可能性が出てきます。
これを未然に防ぐために検査をするわけですが、路上からやろうとすると交通規制をかけなければなりません。ガラガラな道路であれば構わないかもしれませんが、交通量の多い所では大渋滞を引き起こします。おまけに申請手続きも大変。
ということで裏面からアクセスします。

う〜ん。狭い。おまけにタオルやら、ゴムベルトやら、どうやったらこんなものが隙間から落ちてくるのか分からないようなものが大量に降り積もってます。仕方ないので、少し掃除して、ロボットを動作させます。

http://youtube.com/watch?v=VNR2Y4f72ow
メンテナンスロボットというのは、現場にスマートに投入できるイメージがありますが、実際はかなり大変です。
なんといっても、現場まで抱えて行かなければなりません。
長大橋なんて、地上から50mぐらいの高さまでらせん階段を昇り、そこから500mぐらい徒歩で検査路を歩き、そこから50cm角のマンホールに潜り、そこにハシゴをかけて、狭隘部にロボットを置きます。
その途中は、足を滑らせると、50m下の海面に墜落というような階段も歩きます。それも小脇にロボットを抱えて。。。
安全帯(命綱)は欠かせません。

いづれ、ロボットが自分で、勝手に現場まで自走してほしいものです。